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国をファシリテートする

国をファシリテートする。
想像したことがあるでしょうか?
やろうと思ったとき、それはPDCAで実現できることでしょうか?

私は今、事情があって官公庁、一部上場企業のエクゼクティブコンサルをしている会社を指導しています。彼らのコンサル体系がSWOTだの3Cだの、産業時代のものです。結局組織は変わらず、物事は進まず全く意味も価値もないからです。

よくもまあ、この三宅泰世様の前で時代遅れなコンサルを……。と。いまは彼等は私の指示、指導のもと彼らはビジネスモデルデザインを学び動いています。

一方、2019年7月19日総務省にて、地域課題解決に向けたワークショップが開催され山本伸代表理事と私とでファシリテーターを務めました。
参加者は総務省の役人方々。局長を始め多くのキャリア官僚、総務省のアドバイザーを務める大学教授、複数の自治体職員の方々、日本を代表するIT企業からの代表総勢26名が集いました。

この国の構造は、中央の官公庁、地域の地方自治体、大学、民間企業そして、その組織体の内部は業務別専門別の縦割り構造です。縦割り横割りになり、サイロ化と階層化により分断されているのです。
この構造は、それぞれのセグメントの専門性を高めるには有効ですが、それがいまや、個々人までを分断した行き過ぎた構造化と管理となっています。
情報交換、情報共有は進まず、対話はなく、作業だけに追われるような状態です。なんの組織学習もなく、知識創造も起こらない。どこもかしこも、思考停止状態のようです。

このために、環境の変化に適応しにくい、いや、適応できなくなっています。そう。国レベルでです。この国際経済の荒波のなかでこの状態は国として危険なことなのです。

このような問題を解消したいという、総務省からの思いもあって「地域課題解決に向けたワークショップ」が実施されました。通常、官公庁の公演、講義は座学。開始から30分。Yeeeee!で場内が湧く。局長もYeeee!熱狂が始まる。そして、6つの島では、各地方自治体からから持ち込まれた資料を組織学習で助け合い教えあいで、わずか20分で地域の情報をお互いの脳にダウンロード。

そして、『THE INNOVATION MAZE』(※)のBusiness Challenge Routeに沿って探求を進めていきます。

【Why?】なぜ、その地域はその総合計画、施策を実施しなくては行けないのか?
【Who?】その、総合計画、施策は具体的には誰のためなのか?

Customer Friction Map(以下、CFM)の投入です。ファシリテーターは山本代表に代わります。遠慮なく、ぐりぐりとWhy? で刳ります。本質に至るまで掘ります。なぜその人は、それを必要とするのか?なぜ、その人にとってそれがフリクションなのか?12のCFMが壁に貼られます。

IDEATE! 全員で12のCFMのフリクションを解決するアイディアを積み上げていきます。90分程度の時間ではあったけど100以上のアイディアが生まれます。

とても重要なポイントです。

縦割り孤立化ので閉じ込められていた個々人が、12の他の地域の、そこにいる誰かの問題を入り乱れて解決するアイディアをギブしあっていく。

これが、この国が望んでいる姿でしょう。
離れた地域の誰かのために、官公庁、自治体、大学、民間企業が知恵を出し合う。

これが、「本当の国の創り方」です。

次は、ファシリテーターを私に戻し、実際のアイディアを行政サービスへとデザインします。
バリュー・プロポジション・キャンバスでより、助けたい人のPain Gainを洞察し、Painを減らす、Gainを作り出す行政サービスをデザインします。

TEST! はこの場ではできないけど、ランディングページを創ってテストしてフィードバックすることを伝えます。

最後は、もちろん、ビジネスモデル・キャンバスに展開します。

12:30〜17:30という、短い時間であっても、総務省、全国から集まった自治体行政職員、国立大学、日本を代表するIT企業の面々が学び、お互いの知恵、知識を持ち寄り、この日本のどこかにいる誰かのための行政サービスをデザインし、自治体行政のビジネスモデルをデザインした。

その時間は熱狂と創造と協創。そして、感動の時間でした。

その様子を見ていたある総務省の役人は泣いていました。

「やって良かった」
「みんなが笑顔で一杯で・・・楽しそうで」
「この時間にビジネスモデルまで創れてしまった」

私たち一般人がなかなか会話することも多くはない、真面目そうで、頭良さそうで、霞が関の官僚たちも笑顔で、「その人」で、みんなと一緒いる。

感動で泣いている。

これが、「本当の国の創り方」です。

私たちが学んでいるビジネスモデル・キャンバス、バリュー・プロポジション・キャンバス、FORTHイノベーション・メソッド、そしてTHE INNOVATION MAZEは、産官学民そして個人をつなぎ一瞬で協創の関係を形成し国をも動かしていく力があるのです。

そして、もうひとつ。そこにファシリテーターの「ハート」がありさえすれば、可能性は向こうからやってくるのです。

※『THE INNOVATION MAZE』BIS Publishers (2016/7/12) ハイス・ファン・ウルフェン著
https://www.amazon.co.jp/Innovation-Maze-Routes-Successful-Business/dp/9063694105

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