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START UPの生態系

みなさん、こんにちは。岡田です。

 

先日、ひふみ投信で知られるレオス・キャピタルワークス藤野英人社長の講演を聞く機会がありました。

藤野氏によると、「創業者が代表在任中に上場した企業のかなりの割合(たしか8割程度との言だったかと)において、その創業者の親御さんはなんらかの商売をしていた、すなわち、その創業者は、実質的には2代目、3代目である」とのことでした。 

「独立した商売人の子は、商売人となる可能性が高い」 
ということは、これまでも経験則的に言われてきたことですが、投資業界における第一人者とも言える同氏の言となると、より説得力が感じられました。

と同時に、私としては、ここにこそ、我が国において「START UPの生態系」づくりの重要なヒントがあると思えたのでした。

 

「START UPの生態系」というと、ともすると、「起業家の集積づくり」や、「(上場を果たして等により)成功した起業家をメンターとしたシステムの構築」等が、その手段として挙げられることが多いですが、「長期的に持続する、かつ社会全体にわたる生態系」づくりを考えた場合、やはり起業家の育つ家庭環境−「身近に商売がある家庭環境」づくりは、より大きなファクターであると考えられます。

 

その鍵を握るのは、やはり、女性でしょう。

仮に、個々のビジネスの規模は小さくとも、彼女たちが軽やかにビジネスを創造し、楽しそうに「商売」をする、その姿が社会全体に与える影響の大きさは、はかりしれないものがあるでしょう。 

かのリンダ・グラットン女史も、著書『WORK SHIFT』の中で、「2025年には、世界中で何十億人もの人たちがミニ起業家として働き、ほかのミニ起業家とパートナー関係を結んで、相互依存しつつ共存共栄していく仕組み-エコシステム(生態系)と呼ばれる-を築くようになる。」と記していますし、仕事柄、女性の起業支援に携わる機会が多い私も、縦横無尽に張り巡らされた彼女たちのネットワークが機能する様を見るたび、その可能性の大きさを実感することしきりです。

 

加えて、その女性たちが家庭で果たしている役割を考えると…そこに、未来に向けての時間軸が付加される感がします。

持ち前の高い感性と能力を発揮し、楽しそうに「商売」をしているお母さん・奥さんの姿を目にするお子さん、旦那さんに与える影響は、とても大きなものがあろうかと。

そう、彼女たちは、我が国が「起業大国」となるにあたっての、レバレッジ・ポイントである可能性が高いのです。

 

「ウチのおかんな、あんまり儲かってないようだけど、なんかメチャ楽しそうに商売してるねん…だから、オレ(ワタシ)も…」(by 未来の起業家)

 

そんなシーン、想像するだけでワクワクしてきませんか?

でも、それはそんな遠い未来じゃなく、ほんの数年後のことでしょう。

まさしく、「START UPの生態系」です。

 

世の起業女子のみなさん、ガンバレ!そして、楽しんでください!

その際には…右手にビジネスモデルキャンバスを、左手にバリュープロポジション・キャンバスをお忘れなく。

 

それでは。

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