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オープンイノベーション2.0の先駆的事例 〜ふたごじてんしゃ物語

みなさん、こんにちは、理事の岡田明穂 in Osakaです。

 

先日、紺野登先生の最新著書『目的工学によるイノベーション実践手法』で、オープンイノベーション2.0という概念を知りました。 
1.0および2.0がどういうものかの詳細については、同書をご確認いただきたく思いますが、その最大の違いは、2.0においては「市民・ユーザー」が参画の対象というか、むしろ主導するとされている点のようです。従来の1.0はプレーヤーが産官学、これに対し2.0はこれに市民・ユーザーが加わるとされていました。 

これって…、私が1年ちょっと前、あちこちで盛んに必要性を熱く語っていた「民・産官学連携によるオープンイノベーション」そのもの!?そう言えば…山本伸代表にも、大阪の某所で、熱く語っていた様な記憶が…、マグロのお刺身を食べながら(笑)。 

この1.0から2.0への移行という動きは、大企業のみならず、いえ、むしろ中堅・中小企業に大きな機会の存在を知らしめるものではないかと思っています。なぜって? 以下は、私なりの見解です。 

SDGsの急速な浸透にみられるように、今ほど社会課題の解決機運が高い状況は過去にはなかったでしょう。個々の課題は、事業機会につながるものであることもまた、多くの方々が認識するところです。 

ただし…この社会課題って、どうなのでしょうか、ひとつひとつは小さなものが関係しあっての複雑系の状態にあるとも言えるのではないでしょうか。 
民間企業がこれを事業機会としてとらえ個別に対応するとするなら、現実には、個々の課題解決に対応することになろうかと思いますが、ここで大企業の前に立ちはだかりそうなのが、ご存知「スケールの問題」。 

要は、事業規模(市場規模)が大企業の求めるサイズとはみなされない可能性というものですが、この点において、中堅・中小企業は有利となりうるのではないでしょうか。 
加えて、それら個々の課題は市民の生活の中にあることが多く、その文脈の中にどっぷり浸かる必要がありますが、この点においても機動性の高い−意思決定が早い(と一般的にはされている)中堅・中小企業にはアドバンテージがあるとも言えそうです。 
もちろん、それがあてはまるのは、あくまでもその気がある意欲的な企業のみですし、大企業であっても上記の問題をクリアしている場合は、より有利でしょうが。 

こう考えてみると、ビジネスモデルオリンピア2019(2月10日)に登壇していただく株式会社ふたごじてんしゃ(http://www.futago-jitensya.jp 代表取締役 中原美智子さん)の事例は、オープンイノベーション2.0の先駆的事例と位置づけていいのではないかと思っています。 
中原さんは、今、各メディアで話題となっている注目の女性起業家です。 
考えてみれば…、個々の社会課題を最も鋭く捉え、かつ、高い問題意識を持っている方の比率が高いのは、ママたちかもしれません。そのママたちの中から、社会に対して問題提起の声をあげる方が今、とても増えてきています。 

その声に耳を傾け、文脈につかり、そして共に解決する…そこに、新たな成長のタネ、イノベーションのタネがゴロゴロあるのではないかと思うのです。この事例には、そのタネに気づき、芽生えさせ、そして育てるための貴重なヒントがたくさん内包されています。ご参加いただく方には、ぜひその点を読み取っていただきたく思います。 

オリンピアでは、まず中原さんから、ふたごじてんしゃ®︎の発売にこぎつけるまでの7年間にもおよぶ苦闘の経緯、そして、目指す未来の実現に向け、今取り組み始めている新たな動き等を語っていただきます。 
その直後、私の方からは、ご本人から語っていただいた「ふたごじてんしゃ物語」をビジネスモデル・キャンバスで再現・構造化、より学びを深めていただく予定です。 

企業規模にかかわらず、民産官学等立ち位置にかかわらず、新たな時代のオープンイノベーションにご関心をお持ちの方は、ぜひご参加いただき、この物語にふれていただきたいと思います。

何やら、ビジネスモデルオリンピアの宣伝の様になってしまいましたが…^^; 
いよいよ寒さが本格化してきました。ご体調にはくれぐれも気をつけて、お過ごしください。それでは。 

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